スタッフブログ

 

短頭種って?

短頭種とは、頭の幅に比べ、鼻の長さの短い犬のグループです。

 

皆様がよくご存知なのは、ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、パグ、ペキニーズ、シーズーなど、鼻が潰れていてブーブー呼吸しているような子達だと思います。

 

実は隠れ短頭種としてチワワキャバリアもいます。

 

このような子達は遺伝的に呼吸器(鼻、軟口蓋、喉頭、気管など)に形態的な障害を持っていることが多く、それらを総称して「短頭種気道症候群(Brachycephalic Airway Syndrome : BAS)」と言います。その症状は若齢から見られることが多く、歳を重ねるごとに進行していく慢性疾患です。

 

 

どんな症状?

いびき睡眠時無呼吸ピーピー、ブーブー、ガーガーという呼吸(スターター、ストライダー)や、咳が出る息を吸う時に頑張っている(苦しそう)、運動(興奮)時にすぐ疲れる暑さに弱いなどといった症状です。

 

進行すると、チアノーゼや失神を起こし死亡する場合もあります。

 

また、多くの子で胃炎や食道炎も併発し、吐物の逆流による誤嚥性肺炎のリスクが高いです。

 

 

診断は?

一般的には、外貌呼吸状態の確認レントゲン撮影で行います。

 

また、エコー検査透視検査を行い、呼吸器の運動性を確認したり、内視鏡検査で確定診断をしたりする場合もあります。

 

 

治療は?

緩和的に内科治療(冷却や鎮静、酸素化、抗炎症治療、消化器症状の軽減)をすることがありますが、根本的な解決には主な異常に対する外科治療を行います。

 

1.外鼻孔狭窄

鼻の穴が狭くなって呼吸がしにくい状態です。皆様も軽く鼻をつまんで呼吸していただくと実感できると思います。

外鼻孔拡大術を実施します。

 

 

メスや生検用パンチを使用し、鼻孔の余分な組織を切除、整形して鼻孔を広げます。

 

 

2. 軟口蓋過長

軟口蓋(口腔内の上顎の部分で柔らかくなっているところ)が長すぎて、空気の通り道(下図の喉頭口)を塞いでしまう状態です。

軟口蓋切除術を実施します。

 

 

メッツェンや超音波メスを使用し、空気の通り道に覆いかぶさった軟部組織を切除します。

 

3. 喉頭虚脱

喉の入り口の運動障害により、呼吸や嚥下がうまくいかない状態です。

→軽度の場合は喉頭小嚢切除術を実施します。

外転して空気の通り道を邪魔している喉頭小嚢の粘膜を切除します。

 

 

→重度の場合は披裂軟骨側方化術などを実施することがあります。

披裂軟骨と輪状軟骨を糸で結んで引っ張り固定し、空気の通り道を拡げます。

 

 

4. 気管虚脱

気管の膜性壁がたるむことにより気管が潰れてしまう状態。

→上記1~3の治療を行い、改善がない場合には、気管を拡げる手術(気管外プロテーゼ、ステントなど)を実施します。それでも改善がなければ、気管切開術を行うこともあります。

 

 

 

 

短頭種気道症候群(BAS)は重度になると命に関わる疾患であり、進行とともに手術のリスクが大きく上昇します。「まだ元気だし様子を見て大丈夫かな?」、と言っている間に悪化してしまうことも考えられます。

 

若齢時の予防的手術により本症の進行を抑えることができるため、早期の診断が重要です。

 

当院の院長は、「犬・猫の呼吸器臨床研究会」に所属しており、より高度な治療が必要な場合は、呼吸器専門動物病院への紹介も可能です。気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。

2020年8月4日更新

7/31より、

世界標準の血液検査機器である、

 

IDEXXプロサイトDx

 

IDEXXカタリストOne

 

 

を導入しました。

 

 

従来の検査機器との併用により、院内検査がより高度になり、データ管理もデジタルでスムーズにできるようになりました。お渡しする検査結果表が変わっているので、ご不明点等ございましたらスタッフにご相談ください。

2020年8月1日更新

 

昨年は台風19号の豪雨で広範囲にわたって河川の氾濫や崖崩れ等が発生しました。

 

身近なところでは多摩川による浸水被害も発生し、国立市でも台風接近前から自主避難所が開設されました。

 

 

飼い主の皆様も、実際にどうぶつと避難された方や自宅で不安な時間を過ごされた方が多かったと思います。

 

 

さらに今年は新型コロナウイルスが流行しており、感染予防にも気を遣わなくてはなりません。

 

 

避難所に人が殺到してしまうと、避難所が密集場所になってしまうため、「分散避難」が推奨されています。

 

 

避難する際には、感染予防のために持ち出し袋に、手指消毒薬ウエットティッシュマスク体温計等も入れておきましょう。

 

雨や風は事前に予測ができるので、風水害が発生する前に準備をすることができます。

 

 

差し迫ってからの避難では、大雨で視界が悪いなど危険が伴います。

 

 

住んでいる場所やどうぶつや家族の状況により個々に避難行動は異なります。

 

 

災害が発生することを前提に、どの時点でどのような行動をとるのか、自分自身とどうぶつの避難行動計画(タイムライン)を作ってみましょう。

 

 

東京都では「東京マイタイムライン」というシートをweb上で公開していますので、参考になさってください。

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/mytimeline/

 

 

シートを作るのはちょっと面倒だなと感じた方は次の2つだけでもやってみてください。

 

ハザードマップでは自宅のある場所はどのような危険がありますか?

 

②昨年の台風19号よりもさらに激しい豪雨が予想される時、接近の何時間前自分とどうぶつはどこに避難しますか?そのために必要なものは揃っていますか?

 

 

家は川沿いにないし、避難所にも行く必要はないから大丈夫と思っている方、本当にそうでしょうか?

 

 

例えば台風により停電断水が起きた場合、テレビもエアコンもつかない、携帯が充電できない、トイレが使えない、水が出ない、調理ができないといった状況に対処できるでしょうか。

 

 

必要なものは買いに行けばいいと思っても、一時的に物資が不足して手に入らないことも考えられます。

 

 

 

最低限必要なものとして、飲料水食料非常用トイレ燃料電源等は1週間分は用意しておきましょう。

 

もちろんどうぶつの分も一緒に用意しておきます。

 

 

在宅避難の備えをすることは、新型コロナウイルスの感染予防の点から考えても重要です。これを機に何が必要か考えてみましょう。

 

 

当院では、備蓄品をチェックできる「人とどうぶつのための備蓄用品チェックシート」、どうぶつの情報を書き込める「ペット健康防災手帳」を配布してきました。

 

 

現在は感染症対策のため待合室には置いていませんが、病院受付でお渡ししていますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

災害が発生する前にできることをやっておくことが、飼い主の皆様とどうぶつの命と健康を守ります、ぜひ考えてみてください。

 

武井動物病院

2020年6月29日更新

 

膀胱炎とは、膀胱に炎症が起こる病気です。

 

 

 

尿が少ししかでない何度もトイレに行く血尿などの症状が見られ、犬でも猫でもこのような症状で来院されることは比較的多いです。

 

 

 

犬では大腸菌などの細菌感染が原因であることが多いですが、猫では細菌感染などの明らかな原因が見られない特発性膀胱炎が多いことが知られています。

 

 

 

【原因】

 

細菌、真菌、寄生虫の感染や、結石による刺激、膀胱内のポリープや腫瘍、薬剤などが原因で発症します。

 

 

犬の場合は、細菌感染によるものが多いことが知られています。

 

大腸菌やブドウ球菌などが主な原因です。

 

膀胱は尿道に続いているため、尿道の出口から糞便などに含まれる細菌が感染して、それが膀胱までさかのぼって炎症を起こすことが多いです。

 

 

 

 

 

 

猫の場合は特発性膀胱炎といって、細菌感染などのはっきりとした原因が見られない膀胱炎が多いことが知られています。

 

膀胱の構造の問題、ストレスや環境要因が関係しているのではないかと言われています。

 

 

【症状】

 

・頻尿

 

・尿が濁る、血液が混じる

 

・排尿時にキャンと鳴くなど痛がる

 

・残尿感があるため頻繁に排尿姿勢をとる(尿量は少ない)

 

・痛みから普段排尿する場所を恐れて別の場所で排尿してしまう

 

・元気がない

 

・食欲不振

 

 

【診断】

 

身体検査で全身状態を確認し、触診では膀胱の腫れや尿のたまり具合を確認します。

 

 

結石等により尿の出口が塞がっている状態では尿が大量に溜まっており膀胱に張りがあります。閉塞状態は大変危険なのでまず確認します。

 

 

 

尿検査では尿中の潜血やタンパク、細菌や結晶があるかなどを調べます。

 

 

エコー検査では、膀胱や尿道に腫瘍や結石等がないか、壁の厚み、粘膜の状態等を確認します。

 

場合によってはX線検査も併用します。

 

尿検査で明らかな異常がなくても画像診断で、原因が明らかになることもあります。

 

 

 

なお、頻尿などの膀胱炎の症状だけでなく発熱等全身症状が見られる場合には、全身状態を確認する必要があります。

 

 

 

【治療】

 

 

細菌性膀胱炎の場合、抗菌薬により治療を行います。

 

 

細菌の種類によって有効な薬剤が異なりますので、尿を採取して細菌を培養し、薬剤感受性検査を行います。

 

尿を採取する際、膀胱穿刺といって、エコーを見ながら膀胱に針を刺して尿を吸引する方法を用いることで検査精度が上がります。

 

 

投与は約2週間〜3週間行わないと再発してしまうことがあるため、症状が改善したからといって自己判断せずに必要な期間確実に投薬することがポイントです。

 

 

 

感染に対しての抵抗力が下がっていたり、尿石があったりすると再発する場合があります。

 

尿石用フードに変更するなどして、再発を防止します。

 

 

なお、糖尿病や腫瘍などの基礎疾患がある場合も同様ですので、基礎疾患の治療を行います。

 

 

 

 

投薬だけでなく、新鮮な水を十分に摂取できるように注意しましょう。

 

 

尿石症については詳しくはこちらへ

:どうぶつ医療コラム『尿石症』 :http://www.takei-amc.com/wp/category/blog/jin/

 

 

 

猫の特発性膀胱炎の場合は、明らかな原因は見つからないものの、環境要因やストレスが関係していると考えられています。

 

 

尿の量が減り濃縮された尿は膀胱にとって刺激になるため、このような状況を改善することが大切です。

 

 

 

 

まず飲水量を増やすために、飲水器を増やして様々な場所に置く、異なるタイプの飲水器を試す、こまめに新鮮な水に変える、ドライフードを利用している場合、お湯でふやかしたり、ウエットフードの利用を考えるなどの工夫を行います。

 

 

 

またトイレに行くこと自体がストレスになってないかを検討します。設置場所が猫にとって落ち着かないこともあるので、複数個を様々な場所に設置したり、形状の異なるトイレや猫砂を用意することも検討します。

 

 

 

多頭飼育の場合は猫の数+1個はトイレの数を用意し、排泄物が置いたままにならないよう、気づいたら早めに片付けて清潔を保ちましょう。

 

 

 

トイレ以外にも生活の中でストレスの原因がないか検討し、猫の本来の性質を考えて、少しでもストレスを低減する工夫を行います。

 

引っ越しなど生活パターンが変わった時などは要注意です。

 

また最近では、ストレスを軽減するフードやサプリメント、部屋に置くフェロモン剤などが治療に使用されています。

 

 

 

なお、膀胱炎による痛みが強い場合は鎮痛剤を用いることがあります。

 

 

排尿について、いつもと違う様子が見られたら早めに病院に相談してください。

2020年6月2日更新

 

膝蓋骨脱臼(パテラ)とは、膝(ひざ)のお皿の骨(膝蓋骨)が、本来収まる大腿骨にある溝(滑車溝)から外れてしまう病気です。

 

 

動物は無症状の場合もあれば、歩き方がおかしくなったり、痛がったりすることもあります。重度の場合は成長に伴い、足の骨の変形が起こります。

 

 

中〜大型犬よりも小型犬に多い病気で、多くは先天的にもしくは発育過程で起こり、膝蓋骨が内側へずれる内方脱臼が一般的です。片足もしくは両足で起こります。

 

なお猫では稀な病気です。

 

 

 

膝関節を構成する骨は大腿骨、膝蓋骨、脛骨です。大腿骨には滑車溝というくぼみがあり、ここに膝蓋骨が収まっています。

 

これを筋肉、靭帯や腱、関節包などの組織が支えています。

 

 

【原因】

先天的な骨格や筋肉の異常が多く、生まれた時あるいは子犬のころから見られるのが一般的です。

 

ポメラニアン、トイプードル、ヨークシャ・テリア、マルチーズ、チワワなどの小型犬で多いことが知られています。

 

交通事故や高いところから飛び降りたなどの外傷が原因で発症することもあります。

 

【症状】

 

急にキャンと鳴き、後ろ足を気にしている(特に初めて脱臼が起こった時)

 

・歩きづらそうにしていたり、痛がったり、後ろ足をあげる(時々〜いつも)

 

・後ろ足に力が入らない

 

後ろ足を伸ばしたりする(自分で脱臼をなおそうとしている)

 

・軽度の場合や慢性化していると痛がらないこともある

 

・軽度の場合は歩行は正常であることもある

 

・重症の場合は骨が曲がってしまっていることもある

 

重症度の分類(Singletonによる分類方法)

 

状態を評価するために以下のような分類を用います。

 

グレード1:通常は膝蓋骨の脱臼はないが、激しい運動や手で押すと脱臼が認められる状態

 

グレード2:膝蓋骨は脱臼しているが自分で、もしくは手で押せば容易に元に戻る状態、脱臼と整復を行き来している状態

 

グレード3:完全に脱臼した状態。手で押せば元に戻すことは可能だが、離せばすぐに脱臼してしまう状態

 

グレード4:完全脱臼で手で戻すことはできない状態

 

 

重症度分類は、症状とは必ずしも一致せず、グレード1でも大変痛がる子もいれば、グレード4でも全く症状が認められない子もいます。

 

 

【診断】

 

症状、歩様、足の変形の有無等を確認します。

 

さらに触診で膝蓋骨の位置を確認し、手で押して脱臼するのかまた戻るのかを確認し重症度分類をします。

 

X線では膝蓋骨の位置、大腿骨、脛骨の位置や変形の程度を確認します。

 

膝の痛みを訴える場合は、骨折や膝の靭帯の損傷、変形性関節症、捻挫、腫瘍などの可能性もありますので、他の病気の可能性も考えながら診察をすすめていきます。

 

 

【治療】

 

グレード2以上で疼痛、機能障害が見られる(将来出る可能性がある)場合、内科治療で再発を繰り返す場合、などでは状況を考慮して外科手術が実施可能です。

 

 

術式には大腿骨の溝を深くして膝蓋骨を外れにくくする滑車溝形成術内側広筋、内側膝蓋支帯、関節包の解離術外側膝蓋支帯縫縮術脛骨粗面転移術、大腿骨の骨切り術など様々な方法があり、これらを組み合わせて行います。

 

 

治療をせずに脱臼を繰り返すと、膝関節の軟骨が擦れて痛みを生じ次第にうまく歩けなくなったり、前十字靭帯の断裂変形性関節症の原因になることがあるので注意が必要です。

 

 

内科治療としては、体重管理を行い関節への負担を減らし、非ステロイド系抗炎症剤鎮痛剤を使ったり、補助的にレーザー治療サプリメントを使用する場合もあります。

 

 

環境整備として、滑りやすい床は避け、マットを敷くなどの対策を行います。

 

 

足の裏の毛をカットして滑りにくくしてあげることもできます。

 

 

ジャンプや段差の上り下りなど過度な運動を避けます(適切な運動の仕方を指導します)。

 

 

一時的であったり軽度であれば、上記の方法で上手く付き合っていくこともできます。

 

 

歩き方がいつも違うなど気になることがあればお早めにご相談ください。

2020年3月14日更新

 

 

レッグペルテス病は、太ももの骨である大腿骨の骨頭部分が壊死してしまうために痛みやうまく歩けないといった症状がでる病気で、数ヶ月〜1歳前後の若齢の小型犬に多いことが知られています。

 

特に、トイ・プードル、ミニチュア・ピンシャー、トイ・マンチェスター・テリアで多い病気です。

 

 

股関節は、大腿骨の球状の部分の大腿骨頭が、骨盤の寛骨臼というくぼみに包まれています。

 

 

【原因】

 

大腿骨頭への血液が遮断されてしまい、壊死、崩壊することで起こります。

 

感染や炎症反応ではなく、あくまで血流不足により栄養が届かなくなり骨頭部分が死んでしまいます。

 

遺伝的な影響やホルモンの影響などが提唱されていますが、はっきりとした原因は不明です。

 

数週間をかけて徐々に進行します。

 

 

【症状】

 

痛みのために足を地面に着けることができなくなり、浮かせたりするなど歩き方に異常が見られます。

 

歩きたがらなかったり、食欲がなくなることもあります。

 

股関節のあたりを触られるのを嫌がったり、痛い部分を気にして舐めたり噛んだりすることもあります。

 

片足の場合もあれば、両足に発症する場合もあります。

 

初期には痛みがなくても、数週間〜数ヶ月かけて進行し、大腿骨頭の崩壊が起こると急激に症状が悪化し変化に気づくことがあります。

 

 

【診断】

 

触診で股関節の痛みが見つかります。

 

進行すると股関節の動きが悪くなったり筋肉が萎縮して足が細くなります。

 

X線検査では、大腿骨頭が変形したり崩壊、脱臼しているなどの所見が認められます。

 

 

膝の関節部分の膝蓋骨脱臼などでも足が着けないなどの症状が認められるため、他の病気の可能性も考えながら診断します。

 

【治療】

 

病院に受診する頃には、大腿骨頭が崩壊していることが多いです。

 

そのため、外科手術により壊死・崩壊した大腿骨頭と大腿骨頭頸部の切除を行います。

 

これは痛みの原因を取り除き、その周りの筋肉や新たに再生される組織偽関節と呼ばれる偽物の関節を作ることを目的としています。

 

手術後にはリハビリを行い、偽関節がスムーズに動くようにしていきます。

 

痛みを緩和するために非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)を使用します。

 

小型犬は体重が軽いこともあり、多くはこの方法で健康な子と同じように歩けるようになります。

 

しかし、手術前の時点で発症から時間が経っている、筋肉の萎縮がひどい場合などは回復が難しいこともあります。

 

また回復具合によっては、激しい運動を行なった後や寒い雨の日などは、歩き方がおかしいなどの症状が見られる場合もあります。

 

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発症から時間がたってしまうと、筋肉が萎縮してやせ細ったり、関節が変形することで手術後の機能回復に時間がかかったり難しい場合もあります。

 

元気がなく歩きたがらない、足が着けないなどの症状が見られたら動物病院に早めに相談しましょう。

2020年2月14日更新

 

 

 

病気で亡くなる猫ちゃんの1/3が、

 

がん(悪性腫瘍)で、

 

がんのうち一番多いのが乳がん(悪性の乳腺腫瘍)であることが知られています。

 

乳がんで苦しむ猫を少しでも減らしたいとスタートしたのが、

 

キャットリボン運動』です。

 

詳細はこちらをどうぞ→HP:https://catribbon.jp

 

 

[運営団体]  JVCOG(一般社団法人日本獣医がん臨床研究グループ)

 

 

 

キャットリボン運動では3つの取り組みを行います。

 

1 猫のご家族に正しい知識を発信して、早期発見に協力してもらうこと

(できるだけ小さいうちに発見し治療する)

 

2 乳がんの標準治療を普及させること (片側・両側乳腺切除術等)

 

3 乳がん治療のエビデンス強化のための研究に力を入れていくこと

 

 

 

当院はこの活動に賛同して、キャットリボン運動の提携動物病院となりました。

 

 

猫の乳がんの予防啓発や早期発見、そして適切な治療に努めてまいります。

 

また、病院受付ではキャットリボン運動のチャリティグッズのピンバッチ(税込1000円)を置いておりますので、寄付にご協力頂けますと幸いです。

 

 

猫の乳がんに関しての疑問や、お腹に小さなしこりがあるかもしれないなど、

 

 

気になることがあればお気軽にご相談ください。

 

 

 

武井動物病院

2020年1月27日更新

耳の中を丁寧に観察したい。。。という思いから、

 

 

 

オトスコープ(耳道内視鏡)を導入しました!(少し前ですが)

 

 

 

 

 

外耳炎などで耳道がかなり狭くなってしまっている場合や、痛みが非常に強く耳を触らせてもらえない場合は、鎮静下あるいは全身麻酔下でオトスコープを使用して観察を行うことができます。

 

 

 

↑↑ 外耳炎の耳道画像

 

 

 

またオトスコープでは、耳道内部の観察と同時に、組織生検や異物の摘出も可能です。

 

 

外耳炎が繰り返すなど耳の病気でお悩みの場合はご相談ください。

 

 

2020年1月27日更新

 

今年も年に1度の「パピークラス・クリスマス特別企画」を開催しました。

 

 

現役生も卒業生もクリスマス仕様の3つのトレーニングに積極的に参加してくれました!

 

 

プレイセッションでは、はじめましてのワンちゃん同士でも、コミュニケーションをとって楽しく遊んでくれていました。普段のクラスやお家でのトレーニングの成果だと思います。

 

 

途中には当院のスタッフからの出し物もあり、大いに盛り上がりました。

 

 

 

 

 

 

武井動物病院のパピークラスは、JAHA(日本動物病院協会)のパピークラスコースを学んだ専門獣医師が動物行動学の知識に基づき開催しています。

 

HP:http://www.takei-amc.com/prevention/puppy.html

 

 

犬の社会化が適切に行われると、お家やお散歩などでの日常生活がスムーズになるだけでなく、

病院に慣れることで、どうぶつ、飼い主さんにとって診察時のストレスを減らすことができるというのは大きな利点だと思います。

 

 

今月も新入生が参加してくれる予定です。

 

 

随時参加を受けつけておりますので、お電話や診察時にお問い合わせください。

(開催は日曜日です。)

 

武井動物病院

2019年12月16日更新

 

 

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内の弁が変性して閉じることができなくなり、血液が逆流してしまう病気で、小型犬に多いことが知られています。

 

 

 

症状としては、軽度の場合は見た目には分からず、進行すれば、呼吸が早くなる、咳が出る、疲れやすい、呼吸困難、チアノーゼ、失神といった症状が見られます。

 

 

 

ACVIM(American College of Veterinary Internal Medicine:米国獣医内科学会)の犬の粘液腫様僧帽弁疾患の診断・治療に関するガイドラインが、2019年に改訂されました。

 

 

改訂版のポイントとしては2つあります。

 

 

 

ひとつは心不全の症状がでる前段階での治療をはじめることで、うっ血性心不全の発症や心臓病死を遅らせることができるということです。

 

 

 

つまり症状が出る前に健康診断などで心臓マーカーの測定をしたり、心雑音を見つけ、心エコーやレントゲン撮影を行って、治療開始の基準に該当すれば治療を行うことが推奨されます。

 

 

 

もうひとつは、限られた施設での実施にはなりますが、外科手術で僧帽弁を修復する根本的な治療が推奨されている点です。

 

 

 

 

【心臓の構造と血液の流れ】

 

 

 

 

 

 

 

 

心臓は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)に分かれています。

 

 

 

全身から静脈を通って帰ってきた血液は右心房に戻され、右心室へ、そこから肺動脈を通って肺に向かいます。

 

 

 

ここで新鮮な酸素をもらい、肺静脈を通り左心房に戻ってきます。

 

 

 

左心房から、左心室へ行き大動脈を通って全身に向かい、各臓器に酸素を届けるのです。

 

 

 

古い血液と新しい血液が混ざってしまっては困るので、一方通行になるように、各部屋の間には弁という仕切りがあります。

 

 

 

このうち左心房と左心室を仕切っているのが、僧帽弁です。

 

 

 

【原因】

 

 

原因は明らかになっていませんが、僧帽弁が厚くなったり変形することで、仕切りの役割ができずに血液が逆流してしまいます。

 

 

小型犬に多く、遺伝的に罹りやすい犬種がいます。

 

 

 

 

キャバリアは比較的若齢で発症すると言われ、4歳以上では42~59%に心雑音が聴取されるという報告があります。

 

 

 

他の好発犬種としては、ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザー、トイプードル等がいます。

 

 

 

また加齢に伴い発症率が増加し、13歳以上では僧帽弁逆流の心雑音が30~35%で認められるという報告や、弁膜病変が最大で85%において認められるという報告があります。

 

 

 

【症状】

 

 

この病気は数ヶ月から数年かけてゆっくりと進行することが多いですが、急速に進行して悪化する場合もあります。

 

 

 

逆流が軽度の初期では、症状を示しませんが、次第に動物病院で行う聴診で心雑音が聞こえるようになります。

 

 

 

さらに進行すると、散歩の時や興奮した時に、咳が出たり呼吸が早くなったりします。

 

 

 

これらは徐々に進行することが多いため、「最近疲れやすいけど年のせいかな?」と思ってしまう飼い主さんも多くいらっしゃいます。

 

 

 

咳は血液の逆流により左心房が拡大し、気管支を圧迫することなどから、呼吸が早くなったり疲れやすいのは、心臓が一度に全身に送れる血液(酸素)が少なくなることから生じます。

 

 

 

しだいに安静時にも上記のような症状がみられ、さらに逆流が重度になると、呼吸促迫・呼吸困難となります。

 

 

 

これは、左心房に逆流する血液が多くなった結果、左心房の圧が高まり本来なら肺から左心房に血液が送られるところ、肺の部分で血液が渋滞してしまい、肺のうっ血・水腫を起こすためです。

 

 

 

また循環障害のため粘膜が青紫になるチアノーゼ、失神、ふらつきなども見られます。

 

 

 

弁を支えている腱索が切れたり、左心房が破裂した場合は、急性左心不全の症状を示すことがあり、突然死することがあります。

 

 

 

【診断】

 

 

 

 

身体検査では、左心尖部を最強点とする心雑音が聞こえます。

 

 

 

血液検査心臓マーカーを測定することで心臓への負荷の程度を確認できます。

 

 

 

心エコー検査では、左心房・左心室の拡張が見られ、僧帽弁が肥厚し、結節状になったり、進行すると左心房側に位置するようになります。

 

 

 

またカラードップラー法を使用し、逆流を確認したり、僧帽弁を通る血流速度の測定を行います。

 

 

 

 

X線検査では左心房・左心室の拡大肺のうっ血・水腫が見られます。

 

 

 

 

ACVIMガイドラインでは、心臓の形態の変化と症状で4つのステージ(A,B,C,D:Dが最も重症)に分類し、さらにBをB1とB2に分けています。

 

 

 

 

例えば、ステージB2聴診での心雑音の強度、エコー検査やX線で調べた左心房の大きさや左心室の内径、心臓の大きさに関しての数値基準があります。

 

 

 

 

診断では全身状態を把握し、他の病気との鑑別診断を行った上で、僧帽弁閉鎖不全症と考えられる場合は、どのステージなのかを基準に照らし合わせて考え、治療方針を決めていきます。

 

 

 

実際は、全ての数値基準を超えなくても症状が目立つ場合があるなど様々なので、個々の状態に合わせて対応することが大切です。

 

 

 

【治療】

 

 

 

 

内科的治療では主に薬を使って生活の質の向上と寿命の延長を目指します。

 

 

 

 

僧帽弁逆流を軽減し、肺うっ血の予防または軽減、心拍出量を維持し合併症の予防するために行います。改定されたガイドラインでは、ステージB2からの治療の介入が効果的としています。

 

 

 

 

個々のステージ、状態で治療に用いる薬剤や投与量は異なりますが、使用される薬剤の例としてピモベンダンという強心作用と血管拡張作用のある薬や、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、利尿薬、血管拡張薬、鎮咳薬、鎮静薬等があります。

 

 

 

 

また食事療法としてカロリー摂取量や塩分摂取量を管理します。

 

明らかな肥満の場合は心臓の負荷を減らすために徐々に適正体重に戻す場合があります。

 

一方痩せてしまうのも予後に影響するため、体重維持のための工夫をします。

 

 

 

また心不全の症状が強い場合は、運動制限をします。

 

 

 

 

外科的治療として、最近では犬でも僧帽弁形成術等を行うことができるようになりました。

 

 

 

小型犬の心臓はとても小さいため心臓外科の専門技術が必要であり、最新の設備やスタッフ体制が万全な限られた施設でしか行うことができません

 

 

 

現在のステージと手術、術後のリスク、そして費用面などを考えなければなりませんが、外科手術では根本的な原因の治療が期待でき、逆流自体を少なくできます

 

 

 

希望される場合は専門病院へ当院から紹介も行っております。

 

 

 

患者さんの中には、実際に手術を受けて劇的に改善した子もいます。

 

 

 

 

 

ガイドラインでは、特に好発犬種を含む小型犬では定期的な検診を受けることが推奨されています。

 

 

 

大型犬でも罹ることがあり進行が早いため体の大きさに関わらず検診で心雑音の有無やエコー検査などを受けておくのがよいでしょう。

 

 

 

早めに発見することで、適切な治療を受けることができます。

 

 

 

 

2019年12月9日更新